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2007.06.28

カフカの『審判』

 カフカを読む。『城』に続いて短編集『流刑地にて』(白水社)を読み、『審判』を読んだ。

 カフカの作品は物事を説明すればするほど迷路に入り込んでしまうというもの。しかしこの文章は非常に魅力がある。
 ありそうもない説明、問題の中心をとりまく周縁地域をひたすらぐるぐると回り続ける。そうして問題の本質は、いつまでたっても明らかにならない。読んでいる方はつねにはぐらかされてしまうようで非常に不安になる。それがカフカの狙いか。
 しかしその迷路のような文章を、ひたすら読んでいくと、なにか説明はできないような感じではあるが、ある種の感動がある。不思議な文章である。こうしてカフカ独特の宇宙が作り上げられていく。

 文章というものは不思議なものである。ありもしないことを、本当にあるかのように書くことによって、そのありもしないような状況が、読む者の眼前に確かに存在するかのように見えてくる。この不思議さにカフカを読む魅力があるのではないだろうか。

 これらを読み終わって、次に何を読むかを決めるとき、なにかとにかく読み応えのある作品を読みたいと思う。メルビルの『白鯨――モビー・ディック』も読み応えが十分だったが、カフカの作品の前には、それもなにか色あせて見えるから不思議である。カフカ以上に読み応えのある作品は何だろう。

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