« 安倍内閣 その後 | Main | テロ特措法 »

2007.09.14

豊かさは差別の関数――ボードリヤール

 今の世界は経済主義で営まれている。

 かつては米国は世界の共産主義と戦うと考えていた。今は世界のテロ国家と戦うと考えている。
 アフガニスタンを旧ソ連が手に入れようと攻撃したことがある。このとき米国はアフガニスタンが共産主義化されるのを恐れて、アフガニスタンを援助し旧ソ連に抵抗させた。このような戦争を、冷戦時代には代理戦争と言った。ベトナムもそうだった。ベトナムも中国の影響で共産主義化されるのを恐れて、米国は多額の軍事費をつぎ込んで阻止しようとしたが、結局は敗北した。

 旧ソ連は、自分の国の共産主義組織が崩壊して、米国が強力に推し進める世界の経済的グローバル主義の波に飲み込まれてしまった。
 かつてはイデオロギーによる戦いだったが、今では経済戦争となっている。経済の自由化を求めて、巨大資本家、あるいは巨大投資家たちの利益追求が世界を支配している。

 「豊かさは差別そのものの関数なのだから、豊かさが差別をなくすことなどできるはずがない」とボードリヤール(『消費社会の神話と構造』p.76)が言うとき、差別が拡大すれば同時に豊かさも拡大するという意味なのだろう。
 したがって豊かである人々、あるいは豊かな地域こそが貧困を、そしてその結果としての差別を解決する手段であるという一般的な論理は、見たところはもっともらしいが実際には無意味だということなのだろう。

 経済的自由化を押し付けるために、巨大な軍事力を持って抵抗勢力を破壊してしまうというのは、結果的には、貧困層を拡大し、差別を拡大することによって、自らの豊かさを拡大しようという計算になるのではないか。それは計算上だけではなくて、現実になっている。

« 安倍内閣 その後 | Main | テロ特措法 »

「経済・政治・国際」カテゴリの記事

Comments

Post a comment

Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.

(Not displayed with comment.)

TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/18113/16444090

Listed below are links to weblogs that reference 豊かさは差別の関数――ボードリヤール:

« 安倍内閣 その後 | Main | テロ特措法 »

August 2015
Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          
無料ブログはココログ