« セフィーロ修理 | Main | もみじマークをつける »

2008.12.05

河野通勢展

 昨日、長野市の長野県信濃美術館まで行って「河野通勢展」を見てきた。この人は「こうのみちせい」とよむのであって、私はどういうわけか「こうのつうせい」と最初に、その強烈な印象とともにインプットされてしまったので、つい「こうのつうせい」と言ってしまう。
 河野通勢は1895年から1950年まで55年の生涯を得た。長野県の出身で父親は写真家であり絵画も描いた人。幼い頃から地元の風景を描きはじめ、地元の裾花川周辺をコンテで描いた大量の作品を残していると、何かで読んだことがある。今回もその風景作品をたくさん見ることができた。
 その描写力はなみはずれたものであり、通俗的な表現ではあるが、その「執拗な描写」技法は、まことにただものではない。うねるように描かれた枝々に、風に吹かれて揺れ動くかのように描かれたたくさんの木の葉。それは単に見えるものを描いたというよりも、彼が小さいときから目で見て、さらには肌で感じて、自分の中に定着していった風景が、彼の想像力という網目を通って描き出されたものであると言える。
 油彩画では、その執拗なまでの絵の具の塗り重ねが、見事な存在感を生み出している。独特の描画を極めた自画像が数点展示されていたが、その存在感のすごさは実に見事。繰り返し繰り返し絵の具を重ねた筆の跡が、100年近く経たいまでも生々しい。油絵の魅力はこの積み重ねにあるのだと、再確認したことである。
 日記などの資料も含めて、約350点の展示はすばらしいものだった。

« セフィーロ修理 | Main | もみじマークをつける »

「文化・芸術」カテゴリの記事

Comments

Post a comment

Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.

(Not displayed with comment.)

TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/18113/43329073

Listed below are links to weblogs that reference 河野通勢展:

« セフィーロ修理 | Main | もみじマークをつける »

August 2015
Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          
無料ブログはココログ