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2011.02.12

『真夜中に海がやってきた』

投稿日: 2010年11月1日 作成者: haikairoujin

スティーヴ・エリクソンの『真夜中に海がやってきた』を読了した。
今月の10日から読み始めたので、ほぼ二十日間で読み終わったことになる。一日にほぼ12頁というペース。読了後、最初の感想として述べておきたい。

一言で言って、「やはり現代小説はすごい!」ということではないか。ドストエフスキーや、メルヴイル、スタインベックなどを読み続けていて、できれば現代の作品を読みたいと思っていた。それで出版社のホームページなどを調べているうちに、筑摩書房のホームページでこの作品をみつけた。
紹介文などをよく読み、値段なども勘案して、とりあえずはこれを読んでみようと思って、アマゾンから取り寄せた。作品の題材となっているのは、まさに現代社会の混沌とした現実だろう。実際に作品の中でも「混沌」ということぱは、たびたび出てくる。作者はそれを意識し、何とかその混沌を描き出そうとしたのであろう。
最初にキルケゴールのことばが掲げられていて「ウン!」と思ったが、それが意味していることが、作品の中でどういう関連を持っているのかはよくわからなかった。キルケゴールの短いことばは、「おそろしいもの……に、勇気を奮い起こして近づくのは、信仰にもとづいた勇気ではない」というような意味ではないかと思う。
キルケゴールが言おうとしていたことは、まことの信仰――キルケゴールが言う「信仰」というものは、こちらがわから、勇気を奮い起こして近づくというものではなくて、すでにその恐ろしいものの向こう側に連れ去られているという状態なのだということではないか。そのように規定すると、このエリクソンの語っている人物たちは、この世界の混沌の前にうろうろしているということにすぎないのではなのか。

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